フランチャイズの開業を考えている方は開業資金がいくら必要なのかを把握することが重要です。
中には開業資金ゼロから始めようと考えている方もいるかもしれません。
この記事では、そういった方に向けてフランチャイズ開業に必要な平均的な開業資金を解説する他、開業資金ゼロでスタートする方法についても考察します。
フランチャイズの開業手順
まずはフランチャイズの開業手順について解説します。
■STEP1:自己分析
まずはフランチャイズビジネスを運営するための適性や能力、熱意があるかどうかを自己分析しましょう。
自分に合っているビジネスモデルなのかどうかはもちろん、何を商売にしたいのか今一度確認しなくてはなりません。
■STEP2:ビジネスモデルの理解
次にビジネスモデルの理解を進めましょう。
「フランチャイズとは何か」「どのように運営されているか」などを完全に理解することでビジネスを軌道に乗せやすくなります。
併せてフランチャイズの運営形態、役割分担、収益モデルなども勉強しておくと安心です。
■STEP3:市場調査
次にやってみたいフランチャイズの種類や業界を決定し、それぞれのマーケット状況を調査しましょう。
どのフランチャイズが競争力に優れているのか、どの地域にニーズがあるのかなどを理解するためにも市場調査は重要です。
■STEP4:フランチャイズの選択
次にいよいよフランチャイズの選択となります。
どのフランチャイズを選ぶかは、その事業モデルや成功の実績、サポート体制、初期投資や運営費用などによって変わります。
そのため、自分自身の理想のフランチャイズモデルを構築することが必要です。
■STEP5:契約
最終的にフランチャイズの大枠が決まれば、フランチャイズ本部と契約を結びます。
加盟店オーナーはこの契約の際に契約内容をよく確認しておきましょう。
より深く内容を理解するためには専門家の意見を求めることも大切です。
■STEP6:資金調達
その後は開業資金の調達に着手します。開業資金には初期設備投資の他に運転資金などが含まれます。
すでに貯金などで開業資金を貯めていたという方は、貯金からいくら捻出するのかという点もこの時点で考えておくのがおすすめです。
■STEP7;開業準備
資金が用意できたら店舗の場所選び、内装・外装、スタッフの雇用・訓練、広告宣伝など開業に必要なすべての準備を行います。
サポートの充実したフランチャイズの場合、この開業準備においても手厚いサポートが受けられる場合があります。
■STEP8:開業
そしていよいよ開業日を迎え、ビジネスを開始します。
フランチャイズ本部からのサポートを活用しながら、お客様に対する優れたサービスを提供して利益を生み出すことを目標にしましょう。
ただ、ここはあくまでもスタートライン、ここからが加盟店オーナーの腕の見せ所です。
フランチャイズの開業資金
フランチャイズの開業にはいくらかの初期コストと運営コストが発生します。
それらをカバーするためには開業資金が必要です。
ここではフランチャイズの種類別の開業資金や具体的な資金内訳を解説します。
フランチャイズの種類別の開業資金
フランチャイズの開業資金は、フランチャイズの種類、規模、地域などによって大きく異なります。
以下に、大まかな種類別の開業資金の例を挙げます。
■ファストフードフランチャイズ
マクドナルドやサブウェイのような大手ファストフードフランチャイズでは、開業資金は数千万円に及ぶこともあります。
店舗設置費用、装備・設備費、フランチャイズ料などが主な開業資金の使い道となります。
■カフェフランチャイズ
スターバックスやタリーズのようなカフェフランチャイズでも、開業資金は数百万円から数千万円程度必要となることが多いです。
■小売りフランチャイズ
ファミリーマートやセブン-イレブンのようなコンビニエンスストアフランチャイズでは、開業資金は数千万円以上となることもあります。
店舗設備費用、初期在庫、フランチャイズ料などが必要となります。
■サービスフランチャイズ
英会話学校や家庭教師の派遣サービスなど、物理的な店舗が必要ない場合、開業資金は比較的低く抑えられます。
数十万円から数百万円程度が一般的です。
■ヘルス&フィットネスフランチャイズ
フィットネスジムやヨガスタジオのフランチャイズでは、装備・設備費、店舗設置費用などから、開業資金は数百万円から数千万円が必要となります。
このようにフランチャイズの種類や規模によって開業資金は大きく変動しますので、具体的な数値を知りたい場合は、フランチャイズ本部に直接問い合わせることをおすすめします。
また、フランチャイズの開業資金には、一部がリースやローンで賄えるものもあります。
開業資金の大まかな内容
ここからは開業資金の大まかな内容をまとめます。
ただし、ここでまとめる開業資金がすべてというわけではなく始めるフランチャイズによって開業資金は変わるので、その点は注意してください。
■フランチャイズ料
フランチャイズ本部からビジネスモデルの使用権やブランド名の使用権を得るために支払う費用です。
■店舗開設費用
店舗の賃貸料、内装・外装工事費、設備投資費など店舗に関する費用です。
■初期在庫購入費
営業を開始するために必要な初期在庫を購入するための費用です。
■運転資金
ビジネスを始めてからしばらくの間、収益が安定するまでの経費をカバーするための資金です。
これには人件費、広告費、日常的な経費なども含まれます。
特に人件費や広告費はかさみがちなので、うまく調整する必要があります。
■トレーニング費用
フランチャイズ本部で提供されるトレーニングや研修を受けるための費用です。
■マーケティング費用
店舗のオープニングイベントや広告活動などのための費用です。
これらの開業資金はどのフランチャイズを始めるかによって大幅に変わるため、具体的な金額を提示することはできません。
ただ、ビジネス形態によっては数百万円~数千万円ほどかかることもあるので、開業資金の調達は前もって進めておかねばなりません。
フランチャイズ開業の際の財政計画
ここからはフランチャイズ開業の際の財政計画について解説します。
初期投資を回収するまでの時間と予想収益
フランチャイズの初期投資を回収するまでの時間は「フランチャイズの種類」、「投資額」、「地域」、「経営スキル」などに大きく依存します。
さらに、経済状況や市場の競争状況も影響を及ぼすので一概には言えません。
通例では初期投資を回収するまでには2年から5年程度が一般的とされていますが、これはあくまで平均的な目安であり、具体的な数値はフランチャイズごとに大きく異なります。
予想収益についても同様で、業種や市場状況、経営者の能力などにより大きく変動します。
そのため、フランチャイズの選択時にはフランチャイザーが提供するフランチャイズディスクロージャードキュメント(FDD)などを参照し、現在のフランチャイズオーナーから直接情報を得ることも有効です。
注意点として、フランチャイザーから提供される収益予測や回収期間の見積もりはあくまで参考の一つであり、保証されたものではないことを理解しておくことが重要です。
フランチャイズビジネスも一般的なビジネス同様、リスクが伴います。
したがって、専門的なアドバイスを受けるために、ビジネスコンサルタントや会計士などに相談することを強く推奨します。
これらの専門家は、加盟店オーナーが考慮しなければならない要素を特定し、的確なアドバイスをしてくれるでしょう。
フランチャイズの選択と資金計画の重要性
フランチャイズの選択と資金計画は、フランチャイズビジネスの成功にとって非常に重要な要素です。
フランチャイズの選択は、ビジネスの成功の鍵となります。
具体的には、フランチャイズの種類、規模、ビジネスモデル、フランチャイザーの評判と実績、市場状況、競争状況、フランチャイザーからのサポート体制など、多くの要素を検討しなければなりません。
また、フランチャイズの選択は、自分自身の興味、スキル、目標とも適合していなければなりません。
そのため、自己分析もフランチャイズ選択の重要な一部です。
資金計画もまた、フランチャイズビジネスの長期的な成功に欠かせません。
フランチャイズの開業には大きな初期投資が必要で、初期投資額、運転資金、予想収益、投資回収期間などを正確に計算する必要があります。
これらの計算が正確であればあるほど、ビジネスの財務状況を正確に把握し、必要な調整を行うことができます。
また、資金計画を立てることで、事業に必要な資金を確保し、将来的なリスクを減らすことができるでしょう。
フランチャイズの選択と資金計画は、相互に関連しています。
選ばれたフランチャイズの種類や規模によって、必要な初期投資や運転資金、予想収益などが大きく変わる可能性があります。
そのため、これらの要素を一緒に検討し、バランスの取れた決定をすることが重要です。
開業資金ゼロで始める方法
最後に開業資金ゼロでフランチャイズを始める方法について解説します。
ただし、開業資金は多いことに越したことはないので、少なくともまとまった貯金は事前に貯めておくことをおすすめします。
スモールビジネスローンや他の金融機関からの融資
■スモールビジネスローン
スモールビジネスローンは、一般的に小規模企業やスタートアップ企業向けの融資で、多くの国で政府が支援しています。
これらのローンは、通常、比較的低い利率で提供され、一部のローンは政府によって保証されています。
ただし、申請者はビジネスプランや財務計画を提示する必要があり、一部のローンは特定の業種や地域に限定されているので注意が必要です。
■商業ローン
商業ローンであれば、民間銀行や信用組合などの金融機関から直接融資を受けることも可能です。
これらのローンは通常、利率、融資条件、返済期間などが異なります。
商業ローンを取得するためには、ビジネスプラン、財務報告書、信用評価などを提出する必要があります。
■フランチャイズローン
一部の金融機関は、フランチャイズビジネスに特化したローンを提供しています。
これらのローンは、フランチャイズの開業資金、運転資金、装備・設備投資などに使用することができます。
そのため、開業資金なしという方にも最適です。
■オンライン融資
オンライン融資プラットフォームも、ビジネスローンの一つの選択肢として増えています。
これらのプラットフォームは通常、迅速な審査プロセスと柔軟な融資条件を提供しています。
フランチャイズの中には初期投資費用を補助するものも存在
一部のフランチャイザーは、新規フランチャイジーがビジネスを始めるための初期投資費用を補助するプログラムを提供しています。
これらのプログラムは通常、初期フランチャイズ料を割引する形式を取りますが、それ以外にも機器の購入費用や初期設備費用などを補助するものもあります。
これらのプログラムは通常、特定の人々、特に軍人、女性、少数派、または特定の地域にフランチャイズを開設する人々が対象です。
また、フランチャイズの拡大や新規市場開拓を奨励するために、フランチャイザーがこれらのプログラムを提供することもあります。
しかし、これらの補助プログラムは全てのフランチャイズに適用されるわけではなく、フランチャイズごとに異なる条件と要件があるため、フランチャイズ選択の際には具体的な内容をフランチャイザーに確認することが重要です。
クラウドファンディングやビジネスパートナーとの経営
クラウドファンディングは、多くの人々から小額の資金を集めてビジネスやプロジェクトを資金調達する手法です。
これは、新規ビジネスやフランチャイズの開業資金を調達するための一つの手段となり得ます。
クラウドファンディングは、キックスターターやインディゴゴなどのプラットフォームを通じて行われるのが特徴です。
ただし、クラウドファンディングは通常、製品やサービス、プロジェクトの実施といった具体的な成果を見込む投資者から資金を集めます。
したがって、フランチャイズ開業の資金調達にクラウドファンディングを利用する場合、支援者に対する具体的な報酬や成果を提供できるプランを考えることが重要です。
ビジネスパートナーとの共同経営もまた、フランチャイズの開業資金を調達する手段となり得ます。
共同経営者は資金を提供するだけでなく、経営スキルや業界知識を提供することもあります。
ただし、共同経営者を選ぶ際には、その人がビジネスに対して共有するビジョンと目標を持っているか、そしてその人と良好な関係を維持できるかを確認することが重要です。
まとめ
フランチャイズの開業資金は、フランチャイズの種類、規模、地域などにより大きく異なり、数十万円から数千万円ほど必要です。
この費用には、フランチャイズ料、店舗の設立・改装費用、設備・機器の購入費用、初期在庫の購入費用、運転資金などが含まれます。
開業資金を調達する方法としては、スモールビジネスローンや商業銀行からの融資、フランチャイズ専門のローン、オンライン融資などがあります。
また、一部のフランチャイザーは初期投資を補助するプログラムを提供しているかもしれません。
こうした資金調達がうまくいけば資金ゼロでもフランチャイズを始められます。
方法によって開業資金の集め方は無数にあるので、始めたいという方は自分に合った方法で挑戦してみてはいかがでしょうか。